2012年9月26日水曜日

ローマに与えられた3ポイントは正しかったのか?/Roma handed 3points for Cagliari postponement

近年、カリアリに関してイタリアサッカー連盟が下した裁定の中には
いくつも疑問符が付くような決定があった。
そのもっとも新しい例がこの日曜日にカリアリ-ローマ戦が試合前
24時間を切った時点で中止になったことにより、試合を行わずして
ローマの3-0での勝利扱いになったことである。



今回、チェリーノ会長が行った愚行により、カリアリが罰せられるのは
当然である。そこに疑問の余地は無い(まだ安全性の確認が取れて
いないスタジアムに観客を呼ぼうとするなど気が狂っているとしか
思えない)。
しかしここで問題となるのはカリアリに与える罰として、”ローマに
無条件で3ポイントを与える”という手段が適正だったかどうかという
ことである。確かに今回カリアリは多くのルール違反を犯していた。
しかし、今回の様な特殊なケースではその特殊性も考慮して結論を
導くべきだったのではないだろうか。

1.そもそも試合はまだ始まっていなかった。
2.観客の行動自体がこの結果をもたらした訳ではない。
3.カリアリの選手はまさに試合を行うつもりで準備をしていた。

また今回の件で実際にローマが被った被害とはなんだろうか?と
言う事を考える必要も有る。3ポイントを無条件に与えると言う行為は
それに相応しい補償だったのだろうか?



ローマGMバルディーニはこうコメントしている。
『私たちはこの事件における被害者である。この試合に臨む為の
全ての準備を行った、フライトやホテルの手配等すべてだ。』

『ローマは自分達の利益及びファンを守るためだけでなく、競技
規則を尊重するという神聖な権利も守らなくてはならないと考えて
いる。それらは個別の事情に合わせる為に曲げることなどできない。』
(競技規則→対戦日程の進行を故意に妨害するようなことがあれば
そのクラブは罰としてその対戦は0-3での敗戦扱いとなる)

言葉だけ見るとバルディーニが正しい事は明白である。しかし1つ
忘れてはならないのは、この週末にローマが実際に被ったのは試合
前日に試合がキャンセルになったことによる混乱と金銭的な被害
だけだということである。
ローマはこの試合の為にサルディーニャ島のホテルを予約していた。
その中に怪我人の3人(トッティ、デ・ロッシ、オスヴァルド)は含まれて
いなかった。これはカリアリにとってホームで勝ち点3を取るためには
この上なく好都合だったはずだ。

ローマに無条件で3-0の勝利を与えることは結果としてセリエAの
最終的な順位に大きな影響を与えるだろう。
もしローマが3ポイント以内の差でスクデットを勝ち取ったり、CLや
ELの出場権を得たり、降格を免れたりしたら他のクラブはどのように
反応するだろうか?おそらく戦争並の議論が勃発することになるだろう。
 
議論の余地はあるだろうけども、ローマの旅費と日程組み直しの手間
の為だけにカリアリから3ポイントを剥奪してローマに与えるというのは
正しい解決方法だったとは思えない。
バカな事をしてしまう会長が居ない方に無条件に3ポイントを与えるより、
試合を実際に行ってその勝者に3ポイントを与えるべきだったはずだ。